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『君に会うまでは』 第十三章「就職」 5

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『君に会うまでは』 第十三章「就職」 4

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 約10日程の新入社員研修の後、配属の発表があった。ひとりずつ順に配

属先が発表されていく。ドキドキしながら自分の順番を待つ。告げられた結

果は希望も空しく、東京本社の勤務だった。喜ぶべきことであろうけど、そ

の時は郷愁の方が強かった。寮に帰ると、地方勤務となった同期が荷造りを

始めていた。わずか2週間程の関係だったけれど、声をかけ、再会と別れを

惜しんだ。

 その後も別の研修がしばらく続いた。まるでまた学生時代に戻ったようだ

った。企業も莫大な投資をするものだ。慣れない土地で慣れない日々も、同

じような境遇にある同じ寮の同期や研修をともにする同期のおかげで彩りの

ある日々となった。おそらくひとり暮らしなんてしていたら、ホームシック

になっていたことだろう。

 飲みに行く機会も多くなった。何かにつけ飲む。「飲みニケーション」な

んていう言葉もあるくらい、サラリーマンにとっては大事な時間なのかもし

れない。もともと酒を飲めるわけではなく、少量で顔が赤くなるくらいだか

ら、付き合いとはいえ、苦痛なこともあった。それでも、雰囲気は嫌いでは

なかった。それより、病気をしてから身体のことを気遣って、無理をしない

ことに注意していた。いつ病気が再発するか?いつ再発してもおかしくはな

いのだ。自分は時限爆弾を抱えているのだ。そんなふうに感じることもあっ

た。

 手術から2年が経っていた。5年は経過観察が必要だと医師からは告げら

れていて、定期的に通院することになっていた。親元を離れ、かかりつけの

病院には簡単に行くことはできない。東京の病院で診てもらうことも考えら

れたけれど、半年に一度の通院頻度だったので、年末年始、ゴールデンウィー

ク、夏休みと、まとまった休日が取れる時に帰省して、通院することにした。



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2012/05/08 (Tue) 14:51

『君に会うまでは』 第十三章「就職」 4--- 約10日程の新入社員研修の後、配属の発表があった。ひとりずつ順に配属先が発表されていく。ドキドキしながら自分の順番を待つ。告げられた結果は希望も空しく、東京本社の勤務だった。喜ぶべきことであろうけど、その時は...

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